撮影したデータを端から端までプリントしたい!
撮影した写真をプリントする時に、思ったよりも切れてしまう。
そんな経験、ありますよね。そもそも「全紙」だとか「六切」だとかも、どんなサイズのプリントなのかもわからない。
そんな中で、撮影したデータを端から端まで写真にプリントする方法について書いていきます。
前回のおさらい~アスペクト比を理解する~
このお話を読むには、写真のプリントとデータのアスペクト比について知っておく必要があります。
もしも、「既に読んだよ~」という方や「アスペクト比の違いは理解しているよ~」という方は、次へ進んでください。
結論:ノートリミングで出力すれば良い!
いきなりの結論ですが、
ノートリミングで出力してしまえば、画像データの全てを写真にプリントできます。
ここからは、トリミングって何?ノートリミングって何?という点について、理解を深めていきましょう。
ノートリミングの前にトリミングを知ろう
デジタルで写真をされている方ですと、ご自分で画像を切り出したりしている事もあるかと思います。
それが、データのトリミングです。(上の図は、青い線でトリミングしています)
プリント時に範囲を指定して、必要な範囲だけプリントする事も、トリミングです。(上図の真ん中の例です)
プリントのアスペクト比とデータのアスペクト比が合わず、データの一部のみをプリントする事もトリミングです。(上図の右)
つまり、データの端から端まで全てがプリントされていない=トリミングしている という事です。
※トリミングの是非については、個人それぞれの考えなのでここでは書きません。
ノートリミングとはどういう意味だろう?
ここまで読んで頂いた方は、もうお分かりでしょう。
Noトリミング ですから、「トリミングをしない」事がノートリミングです。
よく「ノートリ」とも言われるので、ぜひ知っておいてください。
そして、プリントの世界では、データ上でトリミングしたかどうかは関係ありません。
プリントしようとしている最終データを、紙の中に全て表現するか、紙の全面で出力してデータをトリミングするか。
その二択となります。
ノートリ=2:3比率で出力 ではない事に注意!
ノートリという言葉を2:3比率で出力すると、間違って覚えている方がいます。
原因としては、ノートリタイプの額が2:3比率に合わせているから、そう感じてしまうのだと思います。
そこに罠が潜んでいて、メーカーさんはちゃんと分かっています。
ノートリ(135)というようにキチンと「2:3のノートリ用ですよ」と表記しています。
※135とは35mm判(24x36mm)の事。デジタルカメラでいう35mmフルサイズやAPS-Cが該当
「ノートリで出力する」のか、「35mmノートリ額に合わせて出力する」のか。これは、2:3以外のアスペクト比のセンサーを使われる方にとっては全く違う結果となりますので、実は重要なお話かもしれませんね。
いろいろなアスペクト比でノートリ出力の結果を見てみよう
前回の記事「アスペクト比を理解する」の資料を元に、いろいろなアスペクト比でノートリの出力結果を見てみます。
様々なアスペクト比のデータを、全紙にノートリ(ノートリミング)で出力するとどうなるか?
アスペクト比1.23の全紙(横長)の紙にそれぞれのアスペクト比のデータがどのように出力されるかを図にしました。
ここで、赤い線は、全紙の写真サイズになります。用紙そのものの大きさと思ってください。
このようになります。
様々なアスペクト比のデータを、A2にノートリ(ノートリミング)で出力するとどうなるか?
次に、アスペクト比1.41のA2(横長)の紙にそれぞれのアスペクト比のデータがどのように出力されるかを図にしました。
全紙の時と同じように、赤い線は、A2の写真サイズになります。
このようになりました。
写真屋さんでの写真サイズや、市販されているインクジェットの用紙はサイズが決まっています。
ですから、通常はノートリで出すか、用紙全面に出力するかの二択しかありません。
写真コンテストなどでは、写真サイズしか定められていないことが多く、その中でどのように表現していくか、というのも楽しみの一つかもしれませんね。
コンテストにもよるとは思いますが、「写真に合わせて必要なところが切れて写真の力が弱くなるくらいなら、自分の好みのようにトリミングをして、プリントはノートリで出力すればいい」のではないかと、思っていたりします。
余談)ほぼ同じ画像面サイズでもパット見が変わる
一般社団法人 二科会写真部をはじめ、コンテストなどでは「四切またはA4」という応募条件がついている場合があります。
35mm判(フルサイズやAPS-C)で出力する際に、2種類の方法があります。
それは、四切の中にノートリで出力する方法とA4で出力する方法です。
この二つ、写真の画像面はほぼほぼ同じサイズですが、全体的な印象がかなり違いますよね。
どちらが良いかというお話はさておき、こういった出力方法もございます。
※上図左の、四切に2:3をノートリでプリントする方法は、二科会に参加される当店のお客様の中では大変人気なフォーマットで、店内では通称として「二科フォーマット」と読んでいたりします。(厳密なサイズ指定なども含め)
アスペクト比が違うといろいろと困る事があるように感じますが、実際に知ってしまうと、それを利用して表現していくことも可能です。
皆様なりの、「好きなフォーマット」が見つかると素敵だなと思います。
今回も、長文におつきあい頂き、ありがとうございました。
次回予告
次回は、ここまでの内容を踏まえて、プロフェッショナルプリントのサイトではどのように注文設定をしていけば良いか?ということを書いていきたいと思います。
ぜひ、チェックしてみてください。
※つづきのお話は、こちらからどうぞ。